白癬についてとは

ケラチンを栄養源とする皮膚糸状菌症を白癬と総称しています。
日本では、T.RubumとT.Mentagrophytesu の2種類の白癬菌がほとんどをしめています。その他の白癬菌にT.Tonsurans やペットから感染するM.canisuがあります。

白癬の種類
足白癬

趾間型:足指のあいだが白くふやけ、じくじくしたり、皮がむけたりします。亀裂ができて痛みを伴うことがあります。
小水疱型:足の裏や足縁などに小さな水ぶくれがみられます。かゆみが強いことが多いです。白癬菌も多数認められ、感染力が強いです。
角質増殖型:足の裏がかかとを中心にかさかさします。

①爪白癬
爪に白癬菌が入り、爪は黄色に肥厚し、爪の内側からぼろぼろと角質がとれてきます。最近では効果の高い外用薬も開発されてきましたが、基本的には内服治療の効果が高いため、内服治療をおすすめしています。軽度であれば、外用治療のみでよいこともあります。

②頭部白癬
ふけが付着した脂漏性湿疹のようにみえる軽い症状の型や、炎症が強く毛の抜けてしまう型(ケルズス禿瘡)のものまであります。

③体部白癬、頑癬
かゆみを伴い、境界が鮮明な環状の紅斑を形成してきます。股にできるのを頑癬といい、いわゆるいんきんたむしと言われているものです。肛門周囲まで広がることもあります。

白癬の診断について

皮膚や爪をKOH液で溶かして、顕微鏡で白癬菌の有無を観察します。
一回の検査では、白癬菌を検出できないこともあります。すでに、市販の抗真菌剤をつけていたり、白癬菌の多くない部位もあるためです。何回か顕微鏡検査を繰り返すことによりはっきりする時もあります。このため、白癬菌か迷ったときには、市販の外用剤を使用する前に、皮膚科に受診されることをおすすめします。

白癬の感染経路

白癬は人ばかりでなく動物にもあります。したがって白癬をもった動物と接触していると、人に感染することがあります。特にミクロスポルム・カニスというカビは、犬や猫に感染しているので、白癬にかかった犬猫と接触していると、接触した顔や体、髪の毛に白癬が生ずることがあります。また柔道などの格闘技を行っている選手の間では、トリコフィトン・トンスランスというカビによる白癬が練習や試合を介して集団発生しています。しかし最も頻度が高い足白癬は、家庭内の足ふきマットやスリッパなどを長い間共用していると、それらに付着した白癬菌が足に感染して発症する、家庭内感染によるものが大部分を占めます。

足ふきマットやスリッパは個人専用とし、洗って清潔にしましょう。また床や畳は掃除機でこまめに掃除しましょう。

白癬と見間違う疾患

異汗性湿疹、掌蹠膿疱症などがあります。

白癬の治療方法

(1)外用療法
抗真菌剤の軟膏、クリーム、液を入浴後に1日1回外用します。足白癬では8週間以上外用します。爪白癬では、内服治療が必要になることもあります。
(2)内服治療

うえだ皮膚科内科 高杉院

当院では、内科、漢方内科、皮膚科と複数の科を併設しており、各科固有の疾患に対する治療だけでなく、疾患によっては 科を超えて協力することによって、診断と治療の向上に寄与し、より幅の広い治療がきることを目標にしています。内科では、一般内科疾患全般を診療し、漢方治療を採り入れることによって、皮膚疾患や婦人科疾患、小児疾患など幅広い疾患に至るまで対応しています。皮膚科では、一般皮膚科分野に加え、小手術も行っています。